日食なつこの「ヒーロー失踪」

2015年発売のアルバム「逆光で見えない」収録。タワーレコード限定でシングルとしても発売されていたようですが現在は完売しています。

ピアノ、ウッドベース、ドラムとシンプルな構成ながら迫力満点のサウンドです。
Aメロのドラムのリムの音が特徴的ですね。
同じく日食なつこさんの楽曲「水流のロック」でもリムが多用されていましたが、日食さんの好みなんでしょうか。
それともドラムのkomakiさん？

歌詞の内容的には、ヒーローディス･･･と見せかけて一般市民ディスですね。
特に２番の「助けを求めて泣いて救われなければ怒り狂って」「自分で掘った悲劇の穴に足をすべらして落ちてしまえ」っていうところが毒っ気たっぷりで好きです。
しかもその後の間奏で一旦ポップな感じに持ってきてから「希望的観測の極み」を繰り返すところで暗闇の底まで落とすという構成最高です。

いやもう、本当にヒーローなんて幻ですよね。
ある一面ではヒーローに見えたとしても何かの犠牲無しにはなりたたないんだし。
一般市民の描写は白馬に乗った王子様を待つ乙女とか、純情でかわいい女の子を待つ男性諸君の姿にも見えました。
御伽噺でもない限り、ヒーローも理想の人も現れないんですよ。相手だって人間なんだもの。
きれいごとだけじゃない歌もたまには聴きたくなるものです。